脳のサビつきを防ぐ。アミロイドβの蓄積抑制から見る、アルツハイマー型認知症(MCI)予防の期待
「最近、人の名前が全く思い出せない」「道に迷うことが増えた」
誰もがいつかは直面するかもしれない「認知症」。中でも最も多いアルツハイマー型認知症は、何十年も前から脳に少しずつ発生する「病的な変化」が積み重なって発症します。
一度失われた認知機能を元に戻す完全な治療薬は現在のところ存在せず、いかに「軽度認知障害(MCI)」と呼ばれる一歩手前の段階で進行を食い止めるかが世界的なテーマとなっています。この予防医学の最前線で、脳内の『酸化ストレスの除去』という根本メカニズムに働きかける水素療法の臨床報告が大きな希望をもたらしています。
脳のゴミ「アミロイドβ」と酸化ストレスの果てしない悪循環
アルツハイマー型認知症の発症原因と言われているのが、脳内に数十年前からジワジワと溜まる「アミロイドβ」と呼ばれるゴミのようなタンパク質です。
このアミロイドβが脳に蓄積すると、その周辺に凄まじい「活性酸素(酸化ストレス)」が発生します。発生した活性酸素は正常な脳の神経細胞を錆びつかせ、最終的に細胞死(アポトーシス)させてしまいます。神経細胞が死ぬと、記憶を蓄えたり思考したりするネットワークが切断され、認知症の症状として現れるのです。さらに恐ろしいのは、酸化ストレスそのものがアミロイドβを「さらに増やしやすくする」という負のループを引き起こす点にあります。
水素が負のループを断ち切り、認知機能を保護する
脳の奥深くまで容易に入り込める「分子水素」は、この細胞破壊のループを遮断する最適なプロテクターです。
アルツハイマー病モデルを用いた研究や、実際に軽度認知障害(MCI)を持つ患者を対象とした臨床試験において、水素を含んだ水を飲用・吸入するなどで介入した結果、酸化還元バランスが整い「認知機能スコアの低下が有意に抑えられた」というデータが報告されています。水素がヒドロキシラジカル等の悪玉の活性酸素だけを選択的に消去することで、アミロイドβによる神経細胞死を防いだのです。
「人生100年時代」を、自分自身の記憶とともにより豊かに生きるために。
最も副作用のない脳の掃除屋となる水素吸入習慣は、認知症予防の未来のスタンダードになりつつあります。
【引用文献・エビデンス】
- Nishimaki, K., et al. "Effects of molecular hydrogen assessed by an animal model and a randomized clinical study on mild cognitive impairment." *Current Alzheimer Research*, 2018; 15(5): 482-492. (軽度認知障害(MCI)における認知機能低下抑制および、アルツハイマーモデルの神経保護作用を証明した臨床研究・基礎研究論文)