お酒を一切飲まないのに脂肪肝?急増する「NASH」への根本的アプローチ
「肝臓の数値が高い」「脂肪肝ですね」という健康診断の結果を見た時、真っ先に「お酒の飲み過ぎ」を疑う方は多いはずです。
しかし近年、お酒をまったく飲まない、あるいは少ししか飲まないにも関わらず、肝臓に大量の脂肪が溜まり、深刻な炎症を引き起こす病気が世界中で急増しています。
それが『NASH(非アルコール性脂肪肝炎)』です。
ただ脂肪がついているだけの状態(単純性脂肪肝)を超え、肝細胞が次々と破壊されていくこの恐ろしい病に対し、消化器内科の研究分野で「水素の抗酸化力」を用いた根本治療のポテンシャルが明らかになりつつあります。
放置すれば肝硬変や肝臓がんに直結する「NASH」の恐ろしさ
NASHの主な原因は、お酒ではなく「肥満」「糖尿病(インスリン抵抗性)」「糖質や脂質に偏った乱れた食生活」など、メタボリックシンドロームの蓄積です。
肝臓に過剰な脂肪(中性脂肪)が蓄積した状態が長年続くと、そこへ第二のパンチとして「猛烈な酸化ストレス(大量の活性酸素の発生)」が加わります。この酸化ストレスが引き金となって肝臓内部で大火事(炎症)が起こり、肝細胞が次々と死滅。傷跡を修復しようとする過程で肝臓はカチカチに硬くなり(線維化)、最終的には不可逆的な「肝硬変」や「肝細胞がん」へと一直線に進行してしまうのです。
酸化ダメージを食い止め、脂肪の蓄積を防ぐ
NASHの決定的なトリガーが「酸化ストレス」にある以上、そこに最強の盾として機能するのが『分子水素による選択的抗酸化』です。
動物モデルを用いた消化器系の基礎研究において、水素を与えられたグループは、高脂肪食を与え続けられても肝臓における脂質の蓄積が有意に抑えられることが確認されました。
水素分子が強力な酸化ダメージをピンポイントで中和することで、本来なら起きてしまうはずの強度の炎症反応が抑え込まれ、細胞の死滅や線維化(肝臓が硬くなる現象)の進行がストップしたのです。
さらに驚くべきことに、水素は脂質代謝をコントロールする肝臓内の遺伝子や酵素の働きを正常化させ、脂肪の燃焼そのものを助ける働きがあることも報告されています。
「沈黙の臓器」のSOSに、細胞レベルの介入を
NASH(非アルコール性脂肪肝炎)に対する特効薬は、現在のところ存在しておらず、食事療法や運動療法が治療の要となっています。
しかし、一度狂ってしまった代謝システムや燃え盛る炎症を自力だけで鎮めるのは至難の業です。
生活習慣の改善と併せて、副作用なく肝臓のサビを取り除き、進行を未然に食い止める「水素療法」へのアプローチは、将来の命に関わる重大な臓器障害を防ぐための、最も確実かつ先進的な細胞レベルの防衛策となるでしょう。
【引用文献・エビデンス】
- Kawai, D., et al. "Hydrogen-rich water prevents progression of nonalcoholic steatohepatitis and accompanying hepatocarcinogenesis in mice." *Hepatology*, 2012; 56(3): 912-921. (NASHモデルマウスにおいて、水素が線維化の進行を阻止し、それに伴う肝がんの発生を強力に予防することを示した肝臓病学ジャーナルの代表的論文)